『いわゆる「テクノデリック」』プロデュース表記が「細野+YMO」に変わり、このアルバムを称して「非常に暗いトンネルのようなサウンド」とはその細野の弁。一般的には生楽器の代用的使用方法だった「サンプラー」に非楽器音をとりこみ、リズムの基礎とする手法は、その後のヒップ・ホップにも大きな影響を与えた。このアルバムも近年特に人気が高い。
開発されたばかりの新機材・サンプリングマシーンを(おそらく、世界ではじめて)使用した作品。ホッチキスやポラロイドカメラの操作音、工場の騒音などを加工・編集した音の断片がアルバムのあちらこちらに散りばめられた本作は、楽曲の質の高さ、サウンド・メイキングにおける実験性(特に坂本龍一の音楽的過激さがよく出ている)という意味において、YMOの臨界点を示すアルバムとなった。また、「ケイレン、ケイレン、みんな元気に」という意味不明の歌詞を持つ「体操」など、ギリギリのユーモア感覚も彼らならでは。(森 朋之)
TECHNODELIC (1981)の収録曲
1 PURE JAM/ジャム
2 NEUE TANZ/新舞踊
3 STAIRS/階段
4 SEOUL MUSIC/京城音楽
5 LIGHT IN DARKNESS/灯
6 TAISO/体操
7 GRADATED GREY/灰色の段階
8 KEY/手掛かり
9 PROLOGUE/前奏
10 EPILOGUE/後奏